新型コロナによる休校などを背景に、学生食堂が撤退する高校もあります。宮城県松島町の高校では出来立ての温かい弁当の販売が始まり、生徒たちの人気を集めています。

 松島高校では午前中の授業が終わった昼休み、お腹を空かせた生徒たちが押し寄せて買うのは出来立ての温かい弁当です。

 カレーライスやハヤシライスが特に人気で、この日準備した40食分は20分ほどで完売しました。

 生徒「カレーライス買いました。おいしいので頼みました。ハヤシライスと迷ったんですけどカレーで」「前年はやってなくて学食が。3年生になってまた再開してうれしいですね」「いつもありがとうございます」

 松島高校では、2021年まで町の業者が食堂を運営していましたが、新型コロナの影響で授業日数が減ったことから収益が悪化し、2022年3月に撤退を余儀なくされました。

 状況を知った町外の2つの業者から弁当販売の申し込みがあり、テスト販売で生徒に好評だった仙台市宮城野区の弁当店が9月から正式に提供を開始しました。

 新型コロナのホテル療養者向けの弁当などコロナ関係の需要が減ったこともあり、弁当店も新たな販売先を探していたタイミングでした。

 弁当店わいずめん佐藤姫呂美代表「価格設定もそんなに高くはないので、ものすごく利益が出るかと言われれば正直そんなには出ないんですけども。新しい販売先が見つかってちょっとほっとしている」

 県教育委員会によりますと、県立高校で食堂があるのは69校中41校です。食堂が無い28校のうち10校には売店などもなく、食べ盛りの高校生の昼食事情は厳しい環境に置かれています。

 高校の食堂はもともと夏休みなどで営業できない日が多く、経営上難しい側面があります。

 学校としては温かい弁当の販売を食堂の代わりとして、今後も販売を継続したい考えです。

 松島高校佐藤康弘事務室長「生徒減少が今後も続く中で、うちの学校だけの販売数ですと業者さんも営業的に厳しいのかなと思っています。うちの学校だけではなくて、複数の学校を掛け持ちで営業できるような態勢をお手伝いできたら良いのかなと」