イギリスで38年にわたり殺人の罪で服役していた男性が、DNA鑑定の結果、無罪となりました。
1986年、イギリス中部バーケンヘッドでバーテンダーの女性(21)が頭などを殴られ殺害される事件がありました。
翌年、ピーター・サリバンさん(68)が殺人の罪で終身刑の判決を受けました。
BBCによりますと、サリバンさんは当初、犯行を認めていましたが、その後、否認に転じたということです。
サリバンさんは2021年に、司法判断の誤りを調査する独立機関CCRC=刑事事件再審委員会に申し立てたところ、現場から採取、保存されていたDNA型がサリバンさんのものと一致しないことが判明しました。
サリバンさんは2008年にも同様の申し立てをしていましたが、当時の技術では判明しませんでした。
この結果を受けて13日、ロンドンの裁判所は38年前の判決を破棄しました。
サリバンさんの声明を代読する弁護士 「私は怒っていません。恨んでもいません。ただ、この世界で与えられた残りの人生を最大限に生かすため、愛する家族の元に戻りたいと願っています」
メディアによりますと、イギリスの冤罪(えんざい)事件で最も長い服役期間だということです。
サリバンさんを逮捕した地元警察は事件当時、DNA鑑定は初期の段階で捜査には用いていなかったと説明、「DNAが誰のものか突き止めるため全力を尽くす」とコメントしています。
ただ、現時点でDNAのデータベースに一致するものはないということです。