コメの値段をどう下げるのか。自民党の小野寺政調会長が政府の備蓄米の倉庫を視察。入札条件の緩和などについて検討を急いでいます。

■備蓄米の効果は感じている?

自民党 小野寺政調会長 「むしろコメが高くなって販売されているということ、私個人から見ると国がもうけてどうするんだと」

 備蓄米効果、一体誰が感じているんでしょうか。

80代 「(コメの販売価格が)19円下がっても感じませんよね。結局頭にあるのは、前に買った時の値段がある」

 そんななか、価格を下げる特効薬となるのか。14日朝、備蓄米倉庫を視察した自民党の小野寺政調会長から、こんな発言が飛び出しました。

小野寺政調会長 「備蓄米の重要性はまだ変わっていないと思う。ただ、それを必ず買い戻すということになれば、やはり流通させるほうも一定の制約が出てしまいますので、今回は買い戻し条項は、政府の方針として撤廃していただけるということ」

■「買い戻し条件」とは

 「買い戻し条件」とはどういうことなのでしょうか。

 現在の運用では、国は集荷業者に売った備蓄米と同じ量の米を、原則1年以内に買い戻すことを条件としています。

 政府はこれを緩和する方針だということですが、条件の緩和で入札に参加する業者は増え、コメの目詰まりや高値は解消されるのか、専門家に聞いてみると…。

キヤノングローバル戦略研究所 山下一仁研究主幹 「買い戻し要件を外したからといってどれだけ(落札する業者が)増えるかはよく分からないし、その議論の前提は集荷業者に販売する前提なんですよ。卸売業者にどうして(直接)販売しないのか。『買い戻し要件も外して、誰でもいいですよ』とすれば、卸売業者は皆、手を挙げる。大きなところも小さなところも」

 自民党は小野寺政調会長の冒頭の発言について、その後「1年以内の買い戻しにこだわらないという意味で『撤廃』という文言を使った」と説明しました。

■備蓄米の落札価格について

 小野寺政調会長からは、そもそもの落札価格についても苦言がありました。

小野寺政調会長 「1万1000円から2000円くらいで政府は備蓄米を買い上げております。ですが、今回の落札が実は2万2000円以上ということ。むしろコメが高くなって販売されているということですので、私個人からみると国がもうけてどうすんだと」

 政府備蓄米は国が農家から買い上げた段階よりも、JA全農などに売り渡す段階で、およそ2倍の価格に上がっているというのです。

 農水省に確認したところ、3回目の入札対象となった備蓄米は60キロあたり1万2829円、3回目の落札価格は60キロあたり2万1926円と9000円以上アップ。農水省は適正価格で売る法律のため、このぐらいの価格になると説明しています。

全国農業協同組合中央会 山野徹会長 「(備蓄米の)効果が表れ始めているとみて、決して高いとは思っておりません」

■「適正価格」について

 スーパーの5キロのコメの平均価格が4000円を超えるなか、その適正価格についてJA全中の山野会長が発言です。

山野徹会長 「(Q.5キロのコメ何円ぐらいが適正?)今の高いのを望んでいる訳ではない。消費者にも作る側にも、お互いに納得のいくコストの見合う、そういう価格を求めている」

 適正価格について、街の皆さんは…。

80代・60代 「(Q.適正価格って5キロはいくらぐらい?)少し前の2000円台、2800円ぐらいかな」 20代 「主食だから高くてもしょうがないと思うけど、3000円を切っていればいいな」