イギリス発祥のスポーツ、クリケットは2028年のロサンゼルスオリンピックで128年ぶりに正式競技として実施されることになっていて、日本での普及も期待されています。宮城県亘理町に4月、ジュニアクラブが発足しました。

 亘理町にある鳥の海公園多目的広場で練習を重ねるのは、4月6日に発足した亘理クリケットジュニアクラブ(亘理ウルヴズ)です。柴田町や亘理町など近くの小学校の児童10人ほどが月3回練習に励んでいます。

 子どもたちが練習に励んでいるイギリス発祥のクリケットは、ピッチと呼ばれる長方形のスペースで行われる競技で、投手が投げたボールを打者が打ち返し、打者は打球が処理される間にピッチの端から端まで走って得点します。

 上野比呂企アナウンサー「ジュニアチームの練習では、プラスチック製のバットと柔らかいボールを使って練習します。中学生以上になるとバットは木製になり、ボールは硬式野球ボールのような固いボールを使って練習します。野手はグローブを使わず、素手でプレーします」

 日本の競技人口は約4000人と少ないですが、世界ではインドやイギリス、オーストラリアなどを中心に3億人以上がプレーしていて、サッカーに次ぐ第2位の競技人口と言われています。

 ジュニアクラブの発足は、日本クリケット協会とクリケット部がある仙台大学、そして練習場を持つ亘理町が連携し進められました。目標は、亘理町を東北最大のクリケット競技の拠点にすることです。

 児童たちに指導しているのは、東北クリケット協会会長のロバート・ゴールドさんと創部8年の仙台大学クリケット部です。川崎町出身の西村あかりコーチは、自身も日本代表として活躍しています。

 日本代表・仙台大学クリケット部西村あかりコーチ「(日本の大学のリーグは部の)数で言うと5、6校あるかないか。しかも合同でやっていたりというので、日本のクリケットをもっともっと広めていきたいという思いもあり始めました」

 亘理ジュニアクラブは東北・北日本では初めて、全国では4例目のチーム発足となりました。

 発足から2カ月で9人が所属し、延べで約40人が練習を体験しています。

 児童「きっかけは好きな野球に似てるから。相手が投げたボールがゴロとかで来ると打ちづらかった。もう1回練習してみたいと思いました」「打ってしかもコミュニケーションをとって走るのが楽しい。ロサンゼルスオリンピックの競技にもなっているので、いつか僕も(オリンピックに)出たいと思っています」

 2028年のロサンゼルスオリンピックで、128年ぶりに正式競技となったクリケット。亘理町を拠点にクリケット熱が高まれば、いずれ宮城県からオリンピック選手が誕生する可能性もあります。

 日本代表・仙台大学クリケット部西村あかりコーチ「子どもたちが簡単にクリケットをやってみようっていう選択肢を、当たり前のようにクリケットがあるような環境を作っていきたい。まずはクリケットを楽しんでプレーしていただければと思います」