宮城県多賀城市で飲酒運転の車が高校生の列に突っ込み、18人が死傷した事故から20年です。事故を受けて宮城県は毎年5月22日を飲酒運転根絶の日に定め、啓発活動を行っています。白石市で飲酒運転の根絶を誓う大会が開催されました。

 地元市民や警察関係者など約600人が出席した大会では、警察から飲酒運転事故の悲惨さや発生件数の推移などが説明されました。

 その後、仙台育英高校の書道部員が書道パフォーマンスを披露し、舞台上で巨大な紙に飲酒運転根絶の願いを力強く書き上げました。

 続いて、生徒会長が飲酒運転根絶を誓うメッセージを読み上げました。

 仙台育英高校生徒会長元屋敷瀬那さん「私たちは絶対に飲酒運転を許しません。二度と同じ悲劇が繰り返されないよう、私たちはこれからも宮城県民の皆様と共に、飲酒運転根絶に向けて全力を尽くすことを宣言します。

 仙台育英高校の生徒18人が死傷した事故があった20年前2005年は、宮城県では飲酒運転による事故が年間253件も発生し亡くなった人は13人もいました。

 事故を受けて5月22日を「飲酒運転根絶の日」とするなど、宮城県を挙げて飲酒運転の根絶に取り組んできた結果、事故から10年後の2015年には飲酒運転の事故は77件、死者も4人にまで減りました。

 そして、2024年に死者は初めて0人となりました。

 一方で飲酒運転による事故そのものは無くなっておらず、2024年は39件、2025年も4月末時点で8件起きています。宮城県に限らず、日本全国でも飲酒による事故は相次いでいます。

 事故から20年に合わせて、当時15歳の娘を亡くした男性からコメントを寄せていただいています。

 「5月22日が来るのを嘲笑うように、飲酒運転による大きな事件が連続して起こりました。ただ唖然として、なんと愚かな、情けないことだと思いながら、悔しさや、怒りがこみ上げてきます。してはいけないことだと理解はしていても、一時の迷いや油断、過信等が飲酒運転をさせてしまっているのでしょうか。運転するのは人間です。人間は不完全であり、過ちは誰でも犯す恐れがあるわけです。ですから、飲酒運転は犯罪である、殺人や傷害と同じ犯罪であるとの認識を社会のモラルの一つとして、だれもが良心に留め、過ちを犯すことなく生きていって欲しいと思います」

 飲酒運転は犯罪です。自分が飲酒運転をしないのはもちろんのこと、周りの人たちにも絶対に飲酒運転をさせない、そうした強い姿勢で有りたいと感じます。