米の価格の高止まりが続き価格が2倍以上に膨らむ中、安くておいしい学食も値上げを余儀なくされています。
鈴木奏斗アナウンサー「学生に大人気の朝の定食メニューですが、米の値上がりを受けて今回400円から444円に値上がりしました」
東北大学の学生食堂を運営している東北大学生協では、2月と3月に米を使うメニューの値上げに踏み切りました。
朝の定食が44円、丼ぶりやカレーが55円など10円から50円ほどの値上げです。
学生「お腹いっぱい食べようと思うと、外食するぐらいお金掛かっちゃうなっていうのが正直なところです」「定食のセットが中盛りで、大盛りにするとお金が掛かるので中盛りで。大盛りでお腹いっぱい食べたいです」 東北大学生協では、物流費や人件費などの高騰で2023年と2024年にも値上げをしていますが、月に12トン使用する米の価格高騰がのしかかり、採算が取れるぎりぎりの価格まで値上げしました。
東北大学生協宮崎研次長「事業の継続自体が危ぶまれるような状況でございましたので、本当に苦渋の決断という形で値上げさせていただきました。米の仕入れ価格が下がってくれば値下げを検討していこうと考えておりますし、逆に米の価格が今後も値上がりを続けるのであれば、値上げの検討も進めていかなければなりません」
宮城県では、宮城大学や東北学院大学でも同程度の値上げを実施しています。
米の価格高騰が長引く中、パックご飯の需要が高まっています。
宮城県色麻町にあるJAグループのJA全農ラドファでは、宮城県産のひとめぼれやだて正夢などを使った約70種類のパックご飯を製造しています。
長引く米の品薄や価格高騰、そして、長期保存ができて利便性から需要は伸び続けています。
2024年度のパックご飯の販売量は710万食と、2023年度より130万食増加しています。2025年4月の販売量は85万食と過去最高となりました。
JA全農ラドファ風祭英二社長「お米不足ということもあって精米の棚が空になってしまっていて、パックご飯の商品を並べていただいたというところで販売が増えた。いわゆる非常食から日常食に移行したのかなと考えております」
仕入れ値や輸送費などが上がっていることから2024年と2025年の2回、約10パーセント値上げをしましたが、好調な販売量を維持していると言います。
JA全農ラドファでは、需要に対応するため、2025年度は1500万食に増やす予定です。
なお、政府備蓄米の随意契約手続きが26日から始まりましたが、アイリスオーヤマが契約を申し込んだことが分かりました。
政府は、6月初旬にも店頭に5キロ税抜き2000円程度の米が並ぶことを目指しています。