109万都市のリーダーを決める仙台市長選挙の告示まで1カ月余りです。これまでのところ現職と新人合わせて2人が立候補を表明しています。
7月20日告示の仙台市長選挙に立候補を表明しているのは、いずれも無所属で現職の郡和子氏(68)と、新人で地域ラジオ局エフエムたいはく社長の野田紀子氏(76)の2人です。
現職の郡氏の立候補表明は13日。仙台市議会の場で最大会派自民党の議員からの質問に対し、3選を目指し出馬する意思を明らかにしました。
郡和子氏「私はふるさと仙台の未来を確かなものにするために、引き続きその責任を果たしてまいる決意を固めたところでございます」
新人の野田氏は地域ラジオ局エフエムたいはくの社長です。5月26日に仙台市役所で会見を開き、立候補を表明しました。
野田紀子氏「子どもたちが本当に良い状態でしっかりと生まれてきてよかったって思って生きていける、そんな状態をやはり大人が作らなきゃいけない」
現職の郡氏は仙台市出身の68歳。東北放送のアナウンサーを経て、2005年から衆議院議員を務め4期目途中の2017年に仙台市長選で初当選し、現在が2期目です。
郡氏は2期8年、街の中心は人であるとの思いで市民1人1人が活躍できるまちづくりの実現を第一に市政運営してきました。
郡和子氏「これまで取り組んできた様々な事がございますけれども、更に一層市民の皆様方と積み上げてきたことを基にしながらですね、仙台をより高みに導きたいというふうに思っております」
新人の野田氏は兵庫県出身の76歳。太白区で電気工事会社の経営をしながら、2008年から地域ラジオ局エフエムたいはくの社長を務めています。
野田紀子氏「本当に困った時に、役所に相談したら何とかなる。やっぱり公共がしっかり頼れるそういう存在にならないといけないと私は考えています。ですのでそういう街にしたいと思っています」
東北の中心都市で、唯一の政令指定都市でもある仙台市のかじ取り役として求められるのはどのような政策なのか市民の声を聞きました。
「もっとこうにぎやかに人がいっぱい来て、活性化できる人がいいなと思う。街歩いていてもさっぱり楽しくない。みんな店舗閉まっているからね」「(仙台を)ちょうどいいと感じる人もいるかもしれないけど、成長したい人は別の所に行って突出した所に行きたいんじゃないかな。東京に行った方がチャンスは多いかな」「若い人のサポートが他の都道府県に比べて悪い。住みにくい。もうちょっと子育て支援についてちゃんとしてほしい」「他から来た人が仙台市に来るとあれ、みたいな。私は元々富谷市なんですけど、富谷市の方が子育て支援は結構しっかりしてたかな」
地方政治に詳しい元東北大学准教授で拓殖大学の河村和徳教授は、仙台市のリーダーには都市間競争を勝ち抜く強いメッセージが必要と話します。
拓殖大学河村和徳教授「都市間競争で経済の在り方、公共事業の在り方も変わろうとしている中で、もっとメッセージを発信していかなければいけないし、安泰ではなくて変わっていくために何をしていかねばならないか。現市政自体がもっと情報を出していかなければならない」
支店経済と言われる仙台市の雇用の在り方について、次のように話しています。
拓殖大学河村和徳教授「デジタル化の時代の中で支店経済が変化してくる中で、どう仕事場を作りどう将来の納税者を引き付けていくか。このあたりが大事なポイントになってきている」
更に宮城県の進める病院再編構想の中で課題が明らかになってきた仙台医療圏の医療提供体制については、地域のリーダーとして問題解決に取り組む姿勢が求められるとしています。
拓殖大学河村和徳教授「宮城県だけではなくて全国で病院の建て替え問題は課題。きれいな最新な施設の病院を作らないと医師すら集まらない時代。医師の偏在も含めてどう是正していくか主導的な立場を取らなければいけないのが、東北の中の仙台市の位置付け」
現職が3選を果たすのか、それとも新たな市長が誕生するのか。
郡和子氏「ザ・グリーネストシティ仙台の実現に向けて取り組みたいと決断をしたと申し上げました」
野田紀子氏「温かい、優しいお1人お1人を大切にする街にする」
109万都市のリーダーを決める仙台市長選挙は7月20日に告示、8月3日に投開票されます。