宮城県石巻市の海岸に大量のカキ殻が流れつき、隣接する海水浴場は今シーズンの開設を見送る事態となっています。7月に発生した津波で、漂着するカキ殻の量が増えているということです。
8月5日。
石巻市の長浜海岸と隣接する渡波海水浴場には、異様な光景が広がっていました。
砂浜一帯に散乱するカキ殻。素足では歩けないほど危険な状態に…。
この地区はカキ養殖が盛んで、以前からカキ殻が流れ着くことはありましたが…。
ビーチクリーンを行う一般社団法人石巻海さくら・宮城了大代表理事「今年は海水浴場としてはカキ殻が多くて危険でというところだったんですけど、毎年少なからずあるので、今年はちょっと目立ったのかなというところですね」
渡波海水浴場では、安全確保が難しいとして今年の海開きは中止に…。
更に…。
上野比呂企アナウンサー「画面の海面よく見てみますと、津波でしょうか、何十本の線が次々と陸の方に押し寄せて来ているのが見えます」
7月30日に発生したカムチャツカ半島沖の地震に伴う津波で、石巻港では最大70センチの津波を観測。カキ殻の量にも影響しているとみられています。
これは津波が来る前日の渡波海水浴場です。多くのカキ殻が確認できます。
そして、8月5日、更に広い範囲に漂着していることが分かります。
県は、カキ殻の漂着状況のモニタリングを進めていて、8月末ごろまで調査し、今後の対応を検討するとしています。
県東部地方振興事務所水産漁港部・千田知弘統括次長「津波によって海底なりに堆積しているものが打ち上げられて、かなりの量が打ち上がってる。回収も必要に応じて検討していく」
毎年約7000人の海水浴客が訪れていた渡波海水浴場。
震災で休止に追い込まれ、再開したのは2018年。
しかし、コロナ禍で2020年と2021年は再び休止に。2023年には大量の魚の死骸が漂着し、
2年連続で開設を断念しました。
ビーチクリーンを行う一般社団法人石巻海さくら・宮城了大代表理事「海水浴場として震災前からにぎわってた場所ですし、街からも近い場所ってなると渡波海水浴場、長浜というのはどうにか海水浴場としてオープンできたらなと」