自民党総裁選まであと5日と迫るなか、最新の情勢では林氏が票を伸ばしています。誰が有利なのか、政治部記者が解説します。
■自民党総裁選まであと5日 最新情勢
小泉農水大臣(44) 「きょうはよろしくお願いします」
マスクを付けた、小泉農水大臣。
小泉農水大臣 「率直な“なまごえ”を聞かせていただきたいと思っています」
29日、現場の声を聞くために訪れたのは都内の老人ホーム。票の上積みを目指し、アピールが続きます。
後半戦に突入した自民党総裁選挙。投開票まで、あと5日です。
小泉農水大臣 「選挙は総裁選であろうと、一般の他の選挙であろうと、最後まで分かりません。残りの期間、緊張感を決して緩ませることなくお一人お一人のお気持ちに届くように丁寧に、そして力強く戦い抜きたいと思います」
その小泉氏に「追い風」が吹いているのでしょうか。
ANNがこの週末に行った、世論調査。「次の自民党総裁に誰がよいか」聞いたところ小泉氏が33%で1位、という結果が出ました。
2位の高市前経済安保担当大臣との差はわずか2ポイントですが…自民党支持層に限ると、小泉氏が41%、高市氏24%と、その差が広がりました。
小泉氏といえば先週、陣営のいわゆる「ステマ問題」が発覚し、自身も謝罪に追い込まれましたが…。
政治部 与党キャップ 澤井尚子記者 「週末の世論調査の直前に問題が明らかになり、正直、情勢に変化もあるのかなと思いましたが、数字の面ではあまり影響は出ていなそうです。小泉さんを支持する閣僚経験者は『自民党員は高齢層が多いので、ネット配信でのコメント投稿など何のことだか分からない人が大半だ』と解説します。陣営の幹部も『小泉さん本人の問題ではないので、応援している議員は離れない』と話します。ただ、これにより勢いが削がれ、不動票が流れてこなくなるなど、伸び悩むことへの懸念は出ています」
高市前経済安保大臣(64) 「元気になって、早くおうち帰れるといいね」
小泉氏を追う展開の高市氏。こちらは、都内の医療機関を視察しました。関係者との懇談では、自身の経験を語る場面も。
高市前経済安保担当大臣 「私は更年期障害が始まったのが早かったんです、40代の前半でした。入閣記者会見のときも“ちょっときょう薄着しすぎてきちゃったな”と。寒かったのにしゃべっている途中に緊張しているわけでもないのに汗が止まらなくて…」
女性初の自民党総裁へ支持拡大を訴えます。
高市前経済安保担当大臣 「女性の健康や医療、そして小児の健康・医療、こういったものを総合的に診ていただける場所というのを全国に増やしていきたい。女性の健康は国の力のもとになると私は思います」
一方、林官房長官は公務をこなしつつ自民党本部などで、あいさつ回り。
茂木前幹事長は沖縄の自衛隊基地を視察しました。
自民党 茂木前幹事長(69) 「防衛力の強化を図っていくことが極めて重要だと、改めて実感をしたところであります」
小林元経済安保担当大臣も理学療法士協会を訪問するなど、今週末に迫った投開票に向け、各陣営が追い込みをかけています。
小林元経済安保担当大臣 「さらに同志の力を借りて勢いを強めていく、追い掛けていく」
■最後に勝つのは?林氏が猛追
では、総裁選の最新の情勢はどうなっているのでしょうか。
政治部 与党キャップ 澤井尚子記者 「国会議員票の動向について調べた結果と、今回の世論調査で自民党支持層に限ったデータをもとに党員票を試算したものと合わせると、小泉さんが200票を上回り、高市さんが120票近く、林さんが110票近くと続いています。ただ、態度を決めていない議員などもいて、情勢は流動的です。小泉さんがリードはしているものの、1回目の投票では過半数には達せず、決選投票にもつれ込む公算です。林さんも2位に食い込もうと追い上げている情勢で、討論での安定感もあり、石破総理周辺などベテラン勢の支持が増えています。小泉陣営としては、高市さんとの決選で林陣営と組むことを念頭にしていて、林さんとの決選は避けたいとしています。一方の高市陣営は、『決選に残ることは心配ない』と自信を見せていて、『党員票でとにかく圧倒すれば国会議員はひっくり返せないだろう』と強気です」