地球温暖化の原因となる大気中の二酸化炭素について、去年1年間の増加量が観測史上最大となったことが分かりました。

 気象庁はWMO=世界気象機関の要請を受けた1990年から世界中で観測された温室効果ガスの観測データを収集し、分析しています。

 去年の大気中における世界の温室効果ガス濃度を解析したところ、主要な温室効果ガスの二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素の世界平均濃度が、いずれも観測史上最高を更新したことが分かりました。

 特に、二酸化炭素の世界平均濃度はおよそ423.9ppmで、2023年から3.5ppm増加し、1年間の増加量としては観測史上最大となりました。直近10年間の平均増加量は2.57ppmでした。

 気象庁は、化石燃料の使用が世界的に増加しているなかで、2023年の春から1年間続いたエルニーニョ現象による乾燥と高温が続いたことで生態系による吸収量が減ったことや、北米や南米、アフリカ大陸で大規模な森林火災や山火事が増えたことが要因としています。