2024年11月から仙台市役所の建て替え工事が行われていて、2027年11月の完成を目指しています。工事現場の脇に置かれている石は、建て替え工事の際に見つかりました。
大友葵記者リポート「市役所建て替え工事の脇に飾られているこちらの石。一見普通の石に見えます」
石が見つかったのは2024年秋ごろです。市役所建て替えの工事を進める中で、地下3メートルほどまで堀ったところ、大きな石材が出てきたといいます。
最初に見つけたのは、建て替え工事をしていた施工業者です。現場の所長に当時の話を聞きました。
大林組浅野英樹所長「当時の状況は、実際のところは土の中からゴロっと石が出てきたので加工されたものだから何かなって思いながらも、不思議に思ってたんですね」
見つかった石は直径10センチほどの楕円の玉石と、縦横30センチほどの四角い三滝玄武岩です。三滝玄武岩とは硬質で加工しやすい特性を持ち、古くから石垣など仙台のまちづくりに広く利用されてきた石の種類です。
大林組浅野英樹所長「市民の方から基礎部分の図面の情報をいただいた、そこの図面の中に四ツ谷用水の支流のようなものが絵にあって、これもしかしたらそうなんじゃないの、というところから始まって」
大林組星野明弘統括所長「400年前の四ツ谷用水、伊達政宗のロマンと同じ空間で仕事してるのかなあっていうロマンもあって、仮囲いの角にちょこっと置いておこうかと」
江戸時代に伊達政宗公が着工したとされる四ツ谷用水は、現在の仙台市役所の場所にも通じていたとされていて、その水路の一部なのではないかという話が出てきたのです。
仙台の歴史に詳しい仙台郷土研究会の千葉さんに聞きました。
仙台郷土研究会千葉富士男理事「このまま捨てられるのであれば、捨てるんだったら私にちょうだいってくらい貴重な物なので。実際にその石を見せていただいたんですが、その他の四ツ谷用水で使われている三滝玄武岩だろうと思いますし、30センチ四方の大きさで奥にしたがってすぼまっている作り方といい、これはもう四ツ谷用水の遺構の石垣で間違いないなと確信したところです」
見つかった石が四ツ谷用水の遺構だとしたら、なぜ貴重なのでしょうか。1600年ごろ、仙台城の城下町は広瀬川や湧き水はあったものの当時の人口を満たすほど水に恵まれていなかったということです。
そこで、伊達政宗が命じて作らせたのが、四ツ谷用水という巨大な用水路です。広瀬川から水を取って張り巡らせた水路で、生活用や農業用など様々な用途に使われました。
70年ほどかけて拡大していったとされ、本流のほかいくつかの支流も合わせると最新の研究では60キロ以上あったと言われています。
仙台郷土研究会千葉富士男理事「仙台市内中心部に60キロの水路が巡らせたっていうことを改めて知ると、その偉大さとか大きさとか規模感っていうのが非常に大きかったんだなと」
その規模感からもう一つの広瀬川と表現されることもあり、現在はふたされたり地面の下になったりと当時の状態ではないものの水が通り、農業や工業用に使われている所もあります。
仙台市には、いまだに面影が残る部分も多くあります。大崎八幡宮の太鼓橋下や、壱弐参横丁にある井戸も四ツ谷用水のおかげで今も湧いているといいます。
仙台郷土研究会千葉富士男理事「実際に400年経っても恩恵を受けているっていうことでいうと、当時の人たちの科学的な知見とか将来構想とかっていうのは非常に偉大だなと」
ただし、今回の石は詳しい調査をしないまま仮置きの状態です。
仙台郷土研究会千葉富士男理事「ただの石ではあるが先人の思いが実際に込められた石、実際に石工の人たちが削った石でもあって、次世代にも残す必要があるのではないかと」
仙台市本庁舎整備室藤田孝一室長まだはっきりと断定はできないんですけども、大事な物かなと、形も見えていたものですから。庁内関係部署で協議は進めているんですけども、展示ができないかとか今後検討していきたいなと」