宮城県と仙台市が1月13日に導入してから半年が経った、宿泊税です。

 宮城県のホテルや旅館で素泊まり6000円以上の宿泊した人に、1泊当たり300円を課税します。仙台市に宿泊した場合は200円が仙台市分、100円が宮城県分となります。税収について宮城県と仙台市は、2026年度は約22億円と見込んでいて、観光地の魅力を高めて更に観光客を増やすための施策に充てると説明しています。

 6月上旬、フランスの旅行会社スタッフが日本三景松島を訪れました。観光名所の観瀾亭では、抹茶や和菓子が振る舞われました。
 「フランスでも最近抹茶をよく飲みます。大好きです」

 彼らを招くために、宿泊税が使われました。2025年に宮城県を訪れた外国人約96万人のうち70%が東アジアからで、消費額が高い傾向にあるヨーロッパからはわずか3.9%でした。
 ヨーロッパの旅行会社を招待して需要を掘り起こそうと、宮城県と仙台市が共同でを招きました。これは数多くある宿泊税の使い道の1つでしかありません。

 宮城県の2026年度の宿泊税による税収は約11億円ですが、使うのは8億6000万円として残りの2億4000万円は基金に積み立てる方針です。
 使い道は大きく分けて4つ、細かく分けると18事業で、例えば戦略的な観光地域づくりでは市町村交付金が半分以上を占めています。仙台市以外の市町村に宮城県から分配される宿泊税は、それぞれの地域課題に応じて使い道を決めることができます。ヨーロッパの旅行会社招待ツアーは効果的なプロモーションの展開の1つ、欧米豪誘客促進事業に当たります。

 宿泊税の導入に当たっては、客足が鈍るのではという懸念がありましたが宿泊者数への影響について老舗旅館に聞きました。
 秋田との県境にあり、古くは平安時代末期の開湯とも伝わる栗原市の温湯温泉佐藤旅館は、レトロな施設と源泉かけ流しの湯が自慢です。
 佐藤旅館阿部幹司さん「前年のクマ騒動が尾を引いていまして若干伸びは鈍かったようには思っているんですが、客そのものに関して大きな減少は今のところないんじゃないかなととらえております」

 これまでは徴収されなかった税金を支払うことになった、宿泊客の反応については。
 佐藤旅館阿部幹司さん「お叱りですとか、そういったお声は今のところはないですね。
むしろ皆さん協力的といいますか」
 宮城県の宿泊者数の推移では、1月の宿泊税導入後も減っていないどころか現時点ではむしろ増えていると言えそうです。

 一方で阿部さんは、地域ごとの宿泊者数の偏りを課題に挙げました。宮城県の2025年の宿泊者数は31年ぶりに1000万人を超えましたが、その8割は仙台圏域に泊まっていました。佐藤旅館がある栗原圏域は、1%に満たない約7万人でした。
 宿泊税が使われる周遊性向上のための二次交通対策は、各地を巡るツアーバスの運行などを想定していて地域格差を埋める目的です。

 ただし阿部さんは、宿泊税に頼るのではなく事業者の努力で課題を乗り越えたいと話しました。
 佐藤旅館阿部幹司さん「東隣に登米市というすごく魅力的な所がありますので、どうやって登米市と連携してお互いに集客、送客し合っていこうかなというところもありますし、そういった情報発信も我々はしていかなければならないなと思っております」