公立高校の再編について、宮城県教育委員会は2039年度までに現在の68校から38校までに削減する計画です。背景と課題を専門家に聞きました。

 宮城県教育委員会が10月に公表した公立高校の再編計画の骨子案は現在、宮城県に68校ある公立高校の数を13年後の2039年度までに38校に削減するという内容です。

 ほぼ半数にするという大幅な削減計画について、宮城県高校教育創造室の永田靖和室長に聞きました。
 永田靖和室長「少子化の急速な進行という環境変化ということもありますし、生徒さんの教育的ニーズの変化というところがあるので、そのあたりを両方満たしていく教育環境にしていかなければいけない」

 公立高校の数は、その年その年の中学校の卒業者の数を根拠に決まっています。宮城県の2025年度の中学校卒業者数は1万9625人で、今後は減少の一途をたどり2033年度には1万6486人、2039年度には1万2240人と、現在に比べて約7000人少なくなる見込みです。

 エリア別にみると仙台市、名取市などの中部は29校から23校。石巻市、登米市などの東部は11校から5校。大崎市、栗原市などの北部は15校から5校。白石市や角田市など南部は9校から4校。気仙沼市と南三陸町の気仙沼は4校から1校にそれぞれ削減する計画です。

 仙台市などの人口が多い都市部では削減の影響は少ないですが、地方の削減割合が大きくなります。宮城県教育委員会は、オンラインなどを活用して高校の横のつながりを強化する方針です。
 永田靖和室長「宮城県のどこに住んでいても自分の希望する進路を達成できるような教育環境を目指していますので、今までは学校の枠だけだったと思うんですけど、それを少し超えたところで横のつながりで全体を実現していきたいなと思っています」

 公立高校の再編について、教育学を専門とする宮城教育大学の田端健人教授に話を聞きました。歯止めのかからない人口減少の中では、やむを得ない計画と評価しています。
 田端健人教授「こればかりは避けるわけにはいかないですよね。倍率が1倍を切っているとなった時に、今までのような目標の学校にならなくなってしまう。そうすると、今まで伝統的に担ってきた役割が変わらざるを得ない状況になってきます」

 田端教授は、地域に高校が無くなることによる地域の活力低下を危惧する一方で、地域に合った特色ある学校づくりが求められると指摘します。
 田端健人教授「地域から子どもの声が無くなっていく、高校生も含めて小中高校生がいなくなる、東日本大震災でもそういう地域がありましたけど、そこの方々やっぱり寂しいっておっしゃいますよね。農業、工業、水産業で地元を活気づけるようなイノベーションを一緒にやっていけるような、現場でイノベーションが起こっていることをすぐに高校で学べて、またそこにフィードバックできたり高校生の新しい発想で若い発想でその産業を盛り上げていく」

 高校再編の流れについては宮城県、更には日本が世界に大きく遅れを取っている問題の1つと指摘します。
 田端健人教授「現在の大きな波だと思います。本当は20年前に、この課題をクリアしていないといけなかったと思います。国際的にその流れから遅れている」

 田端教授は人口減少が進み高校の数や生徒数が少なくなる中でも、生徒側のメリットについては次のように指摘します。
 田端健人教授「自分たちが社会を動かしたり変えていくその力とか、役割を担った活躍する人間なんだっていう意識になるんじゃないかと思います。それがまず活力の出先じゃないでしょうかね。そして地域の魅力とかを地元の人たちと協働で掘り起こして、豊かにしていく」

 公立高校の大きな変革の中で、田端教授は地域が1つになって地域に合った正しい答えを地域、行政、高校が一緒に模索していくことが必要と指摘しています。
 田端健人教授「かつてのものも当然大事にしながら、新しい時代に向けた少子高齢化の社会により良い形は何かを子どもから高齢者までみんなで話し合いながら、より良い解をそれぞれの地域で見つけていくということじゃないでしょうかね」