宮城県の名取市消防本部は、新型コロナ対策の一環として救急車内での感染を防ぐためコロナ患者と救急隊員の空間を仕切る、陰圧シールドを設置しました。

 コロナ患者のいる空間は、空気の圧力が周囲よりも低くなっているため、車内にウイルスが拡散することは無いということです。

 新田智紀リポート「こちらが名取市消防本部が導入する、救急車の陰圧シールドです。ダクトで空気を外に吸い出すことで、気圧が低くなり中の空気が外に漏れ出さない仕組みになっています。ご覧のようにファスナーを開けても煙が外に出ていないのが分かります」

 名取市消防本部は、新型コロナ患者の搬送の際に救急隊員への感染を防ぐため、救急車内に陰圧シールドの設置を決めました。

 ストレッチャーが収まる場所を透明なフィルムで覆い、その空間の空気はダクトを通じ車の外に吐き出されます。

 病院の感染症病棟並みの陰圧状態が作り出され、隊員のいる空間にウイルスが拡散することはないということです。

 名取市によりますと、この陰圧シールドを導入するのは東北の消防署としては初めてです。

 名取市消防本部では、2021年と2020年の2年間で27人の新型コロナ患者を救急搬送していて、4月1日から5台ある救急車全てに順次陰圧シールドを設置する予定です。

 商品を開発した会社によりますと、ダクトから出た空気にコロナウイルスが含まれていたとしても外気中に拡散され、感染のリスクは極めて低いことが分かっているということです。