肥料をコーティングするプラスチックが、用水路などを通じて海に流れ込むことが問題になっている中、プラスチックを使わない肥料の実証実験が宮城県気仙沼市で始まりました。

 11日、気仙沼市波路上にある90アールの水田で田植えが行なわれ、苗を植えながらペースト状の肥料をまきました。

 ペースト状の肥料は以前からあるものですが2回撒く必要があるため、30年ほど前からは作業が1回で済むプラスチックでコーティングした肥料が主流になっています。

 今回の実験では、特殊な田植え機を使い、2種類のノズルで土の浅いところと深いところに同時にペースト状の肥料をまきました。 深さを2層にすることで時間差で成分が溶け出すため、1回の作業で済むということです。

 新みやぎ農業共同組合大内一也代表理事副組合長「(コーティング肥料の環境問題が)明らかになった以上はそれに対する対策、生産者としても取り組まなくてはならない」

 新みやぎ農協では、生育の状況や米の味などについてプラスチックコーティングの肥料との違いを検証し、環境に配慮した稲作の普及に役立てる方針です。