カムチャツカ半島付近で起きた地震の影響で宮城県などに出されていた津波警報は、30日夜に津波注意報に切り替えられ、31日午後4時半に注意報が解除されました。

 宮城県の沿岸自治体には避難指示が出されましたが、30℃を超える暑い中での突然の避難となりました。避難所での熱中症対策です。

 災害時にどのような備えが必要か、専門家に聞きました。

 中京大学松本孝朗教授「環境が大きく変わることで、災害の時の熱中症のリスクは高くなります」

 災害により水や電気などの供給が制限されるほか、睡眠不足や生活リズムが乱れるなど熱中症の要因「環境・からだ・行動」の全ての面で危険性が高くなります。

 井口亜美アナウンサー「避難所の中は、もわっとしていて暑いですね。直射日光が当たらない分炎天下の外よりはだいぶ楽ですが、少しいるだけで汗ばんできます」

 サーモカメラで見てみると、上の方に熱がこもっています。

 井口亜美アナウンサー「このまま長時間何もしないでいると、熱中症の危険性があるので対策していきます」

 まずは、体に熱をためないことです。首元を冷やすネッククーラーやうちわで風を送って熱がこもらないようにします。ネッククーラーがない場合は、濡らしたタオルでも代用できます。服装も大切です。

 中京大学松本孝朗教授「通気性の良い蒸発のしやすい服装。できる限り身体を覆う面積が少ないほうが、熱を捨てやすいです」

 井口亜美アナウンサー「薄手のスポーツウェアに着替えました。風の流れが生まれたり直接冷やしてくれたりして、だいぶ涼しく感じます」

 災害時はトイレを控えるために水を我慢する人もいますが、水分を取ることは重要な熱中症対策です。しかしただ飲めば良いわけではありません。

 中京大学松本孝朗教授「水や麦茶、お茶を飲むと血液中の塩分濃度が薄められてしまって足がつりやすくなります。たくさん汗をかくときには塩分が入ったドリンクを飲む必要があります」

 スポーツドリンクを飲み、水分と一緒に塩分も補給することを意識しましょう。

 熱中症計などを使用して、自分が今いる環境を知ることが大切です。

 井口亜美アナウンサー「熱中症の危険度が高まっている場合には、自分だけでなく周りの方も熱中症になっていないか注意してみてください」

 中京大学松本孝朗教授「少なくとも自分1人だけの水や食料、それから暑さをしのげる薄い服くらいは準備しておいていただけると、自治体の備蓄に全員が依存することなくうまくいくように思います」

 災害時に避難する場所として、指定避難所と一時的な避難場所があります。

 小中学校の体育館などの指定避難所は、基本的に屋内で過ごすことができ、食料や飲料などの物資も備えてあります。

 一方で、避難の丘や公園などの一時的な避難場所は屋外の所も多く、物資なども十分に無い場合もあります。

 宮城県東松島市の津波避難タワーです。30日の津波警報では、陸側に避難指示は発令されていませんでしたが、約20人の住民が

自主的に避難をしました。

 津波避難タワーは一時的な避難場所ではあるものの、エアコンやトイレなどがついているほか、食料や飲料などの物資も3日分程度

用意されています。

 避難所や避難場所がどこにあるかはもちろん、その場所にどの程度の設備や物資があるかなども日頃から確認しておくと、いざというときに安心です。