高校生たちが研究を持ち寄ってプレゼンで競う大会、Q-1で宮城農業高校が宮城県で唯一準決勝に進みました。大阪・関西万博で行われる決勝の舞台へ勝ち進むことはできたのでしょうか。
高校生たちが自らの興味や関心から、問い=Q.を設定して研究してその結果を9分間のプレゼンテーションにまとめて発表するQ-1。
5月末、東京・渋谷で準決勝に臨んだのは、宮城農業の6人です。到着すると、早速プレゼンの発声練習です。
過去最多の293チームがエントリーし、準決勝に進んだのはわずか17チームのみ。決勝の会場は、大阪・関西万博です。
チームリーダー山本柚花さん「自分たちなりに一生懸命、発表の練習とか頑張ってきたので、一番良い発表ができるように頑張ります」
知の甲子園とも呼ばれるQ-1は、高校生が発表する研究を大学教授などが審査します。決勝は大阪・関西万博の会場で行われます。
宮城県で唯一準決勝に進んだ宮城農業の研究のタイトルは「桜色の未来」。震災からの復興に携わりたいと、潮風に弱い桜の木を海岸沿いで育てて、再びにぎわいを取り戻すことを目標に始まりました。
研究に立ちはだかったのが近年の猛暑です。塩害に加え高温と乾燥、桜の3つの弱点を同時に解決するため、国際協力機構JICAから高温と乾燥がひどい国での農業を学んだり、植物について研究している東京大学の教授から技術指導を受けたりして試行錯誤を繰り返し、桜の活力剤を開発しました。
チームリーダー山本柚花さん「研究にたどり着くまでの人との交流が他の活動とか研究とかよりも多いと思うので、人とのつながりでできた研究を見てほしい」
いよいよ準決勝が始まります。会場の緊張感が高まる中、ギリギリまで発表の流れや立ち位置を確認します。
発表を終え、重圧から解放された6人の表情にはようやく笑顔が戻ってきました。
チームリーダー山本柚花さん「その場その場で全部一生懸命だったので、本当にその時の記憶があまりないです。まだいけたなっていうのはあったんですけど、それが何がいけたと思っているのかも覚えてないみたいな感じです」
結果発表で上位8チームに選ばれなければ、決勝への望みは絶たれます。1校1校名前が読み上げられて行く中、宮城農業の名前は呼ばれないまま時間が過ぎていきます。残る枠はあと1校。
「では最後のチームです。8チーム目です。兵庫県立姫路東高等学校です。おめでとうございます」
残念ながら大阪・関西万博で行われる決勝の舞台には届きませんでした。しかし、ここで負けても研究は続きます。結果発表の前に設けられた交流会で、新たな出会いがありました。
「宮城県農業高等学校の桜プロジェクトチームなんですけど」「さっき聞いてました」「この活動のしおり私たちが自作していて、良ければどうぞ」
「認知されない研究には意味がない」という信念の下、広報活動に励んでいた6人、すると。
「大阪教育大学の者なんですけれども、例えばこんなことを大阪で一緒に、さすがに遠すぎる?」「いえいえ全然できます」
大阪教育大学附属高校鈴木康平教諭「東日本大震災で生き残った桜を全国的に展開しているという話を聞いて、大阪で紹介して興味を持つ子がいてくれたら少しリアリティ持ってつながれるんじゃないかな」
大会を勝ち進むことはできませんでしたが、研究の輪を広げることができました。今回の悔しい経験も6人にとっては新たな挑戦の第一歩、その目は既に未来を見ています。
チームリーダー山本柚花さん「この大会は私たちの活動を広めるという点から考えるとすごく大きな大会で、結果はもちろん残念だったけど色々な方と話せたし交流もすることができたので、アドバイスされたことを生かしてさらに色々な大会とか色々な挑戦をしていきたい」