26日に投開票された宮城県知事選挙は、現職の村井嘉浩氏が僅差で6選を果たしました。地方政治に詳しい専門家に選挙をどう見たのか聞きました。
過去最多に並ぶ5人が立候補した今回の県知事選挙で、村井氏は参政党の応援を受けた和田政宗氏を約1万5000票差でかわし、6回目の当選を果たしました。
地方政治や選挙に詳しい専門家は、東日本大震災からの復興が一段落し、県政の継続か刷新かが問われた選挙で村井氏に逆風が生まれたと話します。
拓殖大学河村和徳教授「復興期間の終了という切れ目の部分もあった。ある種の時代の終わり、村井知事に課せられてきた富県宮城、震災復興の終わりが見えてきたことも、県政は支持するけれどももう代わってもいいという雰囲気を生み出していた」
河村教授は大接戦となった背景を、世代間の対立や仙台市vs周辺市町村という構図があったと指摘します。
拓殖大学河村和徳教授「(65歳になった村井氏は)現役世代の強みとか経済に強い強みが失われ、更に仙台vs周辺という都市部で村井県政の恩恵をあまり受けない層からすると刷新でいいんじゃないですかというところが、和田さんに流れたと思いますね」
また、選挙期間中は村井氏への誹謗中傷がSNSで飛び交いましたが、河村教授は影響は限定的で、有権者は冷静に判断したと話します。
拓殖大学河村和徳教授「SNSだけで投票する仙台の都市部の若い人は影響があったかもしれないが、多くの場合SNSだけではないと思います。郡部でも和田さんが得票していることを考えると元々の構造で村井さんに飽きがきている」
村井氏は仙台市以外では和田氏を上回る得票でしたが、仙台市では5区全てで和田氏を下回りました。
拓殖大学河村和徳教授「自民には投票しないけど、でも立民はという有権者が仙台市には一定層いて、知事選では和田さんにという投票行動をしたと十分予想される。戦略的に投票した人もいるので、急速に和田さんが伸びた」