「マリーンワン」に高市総理大臣を乗せるなどトランプ大統領は異例の厚遇を見せていますが、今回は高市総理をどう評価したのでしょうか。

■トランプ氏 高市総理をどう評価

 アメリカ大統領専用ヘリコプター「マリーンワン」で2人が向かったのは、アメリカ海軍横須賀基地に停泊する原子力空母「ジョージ・ワシントン」です。

トランプ大統領 「偉大な総理として名を残すぞ」

 そして詰め掛けた兵士にも…。

トランプ大統領 「この女性は勝者だ。私たちはとてもいい友人になった。なぜなら日本の株価も、私たちの株価も史上最高になっているから」

高市総理大臣 「トランプ大統領とともに、世界で最も偉大な同盟になった日米同盟をさらなる高みに引き上げていく」

梶川幸司ワシントン支局長 「(Q.なぜ2人でマリーンワンに?)大統領専用機は最高度のセキュリティーが求められるため、一緒に乗ることが極めて異例。アメリカにとって日本が信用できる同盟国だと示すことで日米同盟の結束をアピールする狙いがあったのでは」

 そんな2人が初めて顔を合わせたのは28日朝です。首脳会談は午前9時45分から始まるはずでしたが、予定を過ぎても誰も部屋に入ってきません。ようやく閣僚らがそろい、その数分後…。

高市総理大臣 「開始が遅れまして失礼致しました。トランプ大統領の部屋で野球を観ておりました。1-0でドジャースが勝ってます」

 会談は2人の共通点を介して和やかに始まりました。

高市総理大臣 「安倍総理から、よくトランプ大統領のダイナミックな外交について話を聞いていました」

トランプ大統領 「シンゾー・アベは私の大切な友人だった。彼は私たちが会うずっと前からあなたのことを高く評価していた」

 そして、トランプ大統領からは感謝の言葉も…。

トランプ大統領 「大量の防衛装備品を注文してくれて感謝している。知っての通り、我々は戦闘機であれミサイルであれ、すべてにおいて世界最高の防衛装備品を製造している」

 撮影が許可されたのは冒頭の約10分間。2人が再びカメラの前に姿を見せたのはその40分後、レアアースなどの重要鉱物での協力に関する文書などに署名した時です。

 記者会見などは行われずに、また報道陣をシャットアウトした「ワーキングランチ」へ。ただ、その間の様子はホワイトハウス側から伝わってきます。2人が見ているのはプロゴルファー・松山英樹選手のサインが入ったゴルフバッグに、安倍元総理が使っていたゴルフクラブ。トランプ大統領への贈り物です。

 そして安倍元総理がかつて唱え、高市総理も総裁選のスローガンにした「JAPAN IS BACK」と刺繍(ししゅう)されたキャップ。「Sanae(早苗)」「Donald Trump(ドナルド・トランプ)」とサインがされています。

 また、ホワイトハウスのレビット報道官によりますと、高市総理はトランプ大統領をノーベル平和賞に推薦することを表明したといいます。

 トランプ大統領は北朝鮮による拉致被害者家族とも面会しました。

トランプ大統領 「このこと(拉致)は常に心に留めている。シンゾー・アベから始まったことだからだ」

■初顔合わせ アメリカ側の評価は?

梶川幸司ワシントン支局長 「トランプ大統領は首脳会談の冒頭、安倍元総理を『親友だった』と懐かしみ、『日本を支援するためにできることは何でもする』と述べた。アメリカメディアは『温かみのある言葉だった』と伝えているが、高市総理を“安倍元総理の継承者”とみなして接している印象を受けた。高市総理が防衛費の増額に積極的であることを高く評価して、『我々は最高レベルの同盟国』と強調した。きょうの会談では厳しい注文はなかったようだが、日本が約束した巨額の投資の実現が滞るようだとトランプ大統領の態度も変わる可能性があると思う」