宮城県南三陸町で5期20年にわたり町長を務め、震災復興の陣頭指揮を執った佐藤仁町長が5日に任期を終え退任式に臨みました。最後の言葉は職員に対する「心からの感謝」でした。

 佐藤仁南三陸町長「これまでずっと支えてくれた職員の皆様に、心から感謝を申し上げたいと思います」

 佐藤町長は旧志津川町の町長を経て、2005年歌津町と合併し誕生した南三陸町の初代町長に当選しました。

 2011年の東日本大震災の発生時は、職員43人が犠牲になった防災対策庁舎で自らも津波に流されそうになりながらも、震災からの復興に力を注ぎ続けました。

 佐藤町長は5日に任期を終えて退任式に臨み、14年前の震災の犠牲を悼みました。

 佐藤仁南三陸町長「多くの仲間を失いました。残念至極です。町民の皆様も大変多く犠牲になられました。慚愧に堪えない大災害でありました」

 そして、震災の教訓を次の世代に伝承していくことを職員に託しました。

 佐藤仁南三陸町長「是非東日本大震災で大変な思いをした職員の皆様は、あの災害を知らない職員にその思いを伝えていただきたいと思います」