埼玉県坂戸市で起きた「突風被害」。台風並みの猛烈な風が吹き荒れた釣り堀の店主は「異変」を感じていました。

■埼玉“突風”被害の釣り堀

 埼玉県川島町の釣り堀を映したカメラ。27日午後6時すぎ、突然、猛烈な風が吹き荒れました。

 屋根のタープは今にも吹き飛ばされそうに揺れ、砂煙が巻き上がります。雷鳴もとどろきました。

 風がおさまった後、釣り堀は無残な姿に変わっていました。

川島釣り堀 山本勝治代表 「これ大人1人ではまず持てない。これもそのまま後ろに倒れていた。このコンテナが全部、池に落ちたり飛んでいったりして、今これを洗っている状況。これも全部、池の中に落ちた」

 さらに、日よけ用の黒い天幕も破れてしまいました。

山本勝治代表 「風・雨・ひょうが一気に来た感じ、2分から5分の間に一気に強くなった、短期間でいきなり強くなって、最大風力まで上がった」

■鶏舎の屋根が電柱に 5本倒れる

 突風は、周辺の地域にも被害をもたらしました。

 隣の坂戸市では、養鶏場の鶏舎の屋根が吹き飛ばされました。

 かつては2棟並んでいた鶏舎。しかし、片方の鶏舎は屋根を完全に失っています。すさまじい突風の威力を物語ります。

 現場に向かったカメラ。鶏舎には突風の爪痕が残ります。

 屋根を失った鶏舎には、ゆがんだケージと無数のトリが取り残されていました。1羽、また1羽と救出されていきます。

 さらに、一見無事に見えたもう一つの鶏舎も柱が折れ、建物が押しつぶされていました。

 倒れた電柱は合わせて5本。吹き飛ばされたトタン屋根が直撃したとみられます。

 突風の影響で一時、市内のおよそ770軒が停電しましたが、けがをした人はいませんでした。

■「局地的」店主感じた異変

 27日、埼玉の上空には寒冷前線に暖かく湿った空気が流れ込み、積乱雲が発達。激しい雷雨となりました。その中で、局地的に突風が発生したとみられます。

養鶏所の関係者 「突然、雷が鳴り出した。その後に風が強くなってきて、台風ぐらいの風が吹いた。家にいて屋根が飛ぶのではないかと恐ろしかった『ゴー』と。この辺はピンポイントで(突風が)吹いたと思った」

 この時、およそ15キロ離れた観測地点では木々が揺れる程度の風しか観測されませんでした。しかし現場では、屋根を吹き飛ばすほどの突風が吹き荒れていたのです。

 川島町の釣り堀では…局地的な風の威力を目のあたりにしていました。

 突風で倒れた稲。しかし、隣の田んぼの稲は倒れていません。

山本勝治代表 「片方だけひどいことになった」

 猛暑が続くこの時期、局地的な突風は全国のどこでも起こる恐れがあります。十分な警戒が必要です。