宮城県栗原市に国内初、3Dプリンターで造られた2階建て住宅が11月に完成しました。人手不足の解消や価格の抑制に期待されている新技術です。建築分野の最前線を行く企業です。

 築五十嵐理香社長「これはモルタルという物でできています。モンブランのように積層しながら一層一層積み重ねていきながら、立ち上げて印刷するという形になります」

 栗原市築館に完成した3Dプリンター住宅は、延べ床面積約50平方メートル、高さ6.3メートルの2階建住宅です。

 栗原市の施工会社、築が手掛けました。3Dプリンターの技術で住宅を造る会社は日本には数社しかなく、2階建ての住宅は国内初です。

 築五十嵐理香社長「外壁も内壁も柱の型枠も全部同時に印刷しますので、一度に全部が立ち上がるというイメージです」

 従来の工法では難しい3Dプリンターならではの曲線的なデザインが特徴で、室内にはキッチンやベッドルームが広がり、モダンな雰囲気になっています。

 材料は特注のモルタルを使用して強度を上げ、更に設計を工夫して安全面の課題もクリアしました。

 施工主の大場一豊さん「木造住宅の方が良いなと思ったけれども、中に入るとものすごく斬新で私も20代の気持ちを取り戻して、新たな気持ちで取り組まなくてはと思いました」

 建築の分野に3Dプリンターを導入した背景には、高齢化やなり手不足によって大工が足りていない現状があります。

 3Dプリンター住宅は、わずか12日間で家の形ができるなど一般の住宅と比べて工期を数カ月短縮できます。作業に当たる人数も数人と人手を削減できるメリットがあります。

 築五十嵐理香社長「機械でできることが増えていくと、できないことができるという形になっていくので、これからの産業になるのかなと思ってます。10年後にはこれがスタンダードになる時代が来ると思っていますので、広げていきたいと思ってます」