暑い時に食べたくなるカレー。実はそれ、理由があります。
■スパイス香る…新宿の祭典
スパイスの香りがフロアいっぱいに広がる香り高い食の祭典が現在、伊勢丹新宿店で開催されています。
カレーやスパイス料理の名店が軒を連ねるなか、多くの人が殺到したのがインドなど、南アジアの国々で広く愛される炊き込みご飯「ビリヤニ」の専門店。
イスラム教徒の食文化であるため、豚肉以外の牛肉、羊肉などが使用され、コメやスパイスとともに香り高く炊き上げるのが特徴です。
そのビリヤニを割り下とかつおだしで牛すき焼き風に仕上げた1品です。
ビリヤニ大澤 大澤孝将店主 「実はかつおだしとスパイスがすごく相性がいい。ごぼうの香りもスパイスにすごくあう」
20日は用意した580食が午後には完売したという超人気店。会場には昼、夜、翌朝の3食分を買った熱狂的なファンも。
都内からの客 「手に入ってよかった、40食限定なんで。全部制覇したいんですよ(ビリヤニ)大澤さんが作ったメニューをすべて食べたい、期待が…」
さらに、インパクト抜群の1品がスリランカ産のお米の上にカツオのコロッケなどスパイスで味付けした具を添え、最後に大きなチキンレッグ。それらを本物のバナナの葉で包むことで独特の風味を食材に移し、保温効果を高めるスリランカの伝統的なお弁当スタイルでいただきます。
都内からの客 「すごくきれいですね。葉っぱってホント素晴らしい。触ってみたいし開けるときのインパクトがすごい。ドキドキします。緑と黄色がとってもいい」
カレーの相棒はコメだけではありません。ご飯の代わりに数種類の野菜と炒め合わせたビーフンを使ったスリランカ風の「ヌードルカリー」。
都内からの客 「ライスが入っているのかなと…入っていないんですね。わざわざこのために来た。食べたくなる、暑い時は」
■カレーは“胃腸にいい”? 知られざるスパイスの世界
夏にカレーが食べたくなるのには理由がありました。
カレー総合研究所代表 カレー大學学長 井上岳久氏 「暑いので胃腸が弱っていたり食欲がなくなったりする。カレーを食べるとスパイスが入っているので胃腸が促進される。一生涯かけてもスパイスを解明するのは難しい。使いこなすのも難しい、底なし沼くらいの深い世界がある」
カレーのプロも舌を巻くスパイスの奥深い世界。常時、100種類のスパイスを取りそろえる都内の専門店でその魅力を聞くと…。
アンビカコーポレーション ヒンガル・ニッティン社長 「インドには『調味料』という言葉がない。インド(の言い方)にすると、スパイスという言葉を使う。インドは歴史が古いから、体にいい栄養のあるものを食に取り入れて、だから全部意味がある」
では、暑さで食欲がなくなる時におすすめなのは…。
アンビカコーポレーション ヒンガル・ニッティン社長 「クミンの粉やクミンの粒。消化のために一番いい」
さらに、特に夏の暑さに効果が期待されるスパイスが…。
アンビカコーポレーション ヒンガル・ニッティン社長 「カルダモンは体の中が熱くなるときは体の温度調整のためにいい。カルダモンは皆好き、特に女性は好き。香りがいい。クイーン・オブ・スパイス(スパイスの女王)」
その“スパイスの女王”カルダモンを使ったカレーが食べられるお店が…。
■“スパイスの女王”が決め手の“幻のお店”
21日のランチ時、東京・新宿のダーツバーに突如現れたカレー屋の立て看板。実はここ、他の飲食店が営業していない時間帯に「間借り」で月に6日程度しか開店しない“幻のお店”です。
30代の人 「うんうんうん…不思議なおいしさ」
お客さんも思わずうなるこのカレーもやっぱり味の決め手は…。
30代の人 「色んな具材があって、スパイスもすごくきいていて、食べたことがなくても食べやすいカレーでおいしい」
40代の人 「スパイスがきいているがあまり辛い感じはなく、全体的に混ぜて食べると食べやすい」
皆さん、口々にスパイスを大絶賛。スパイスの女王カルダモンをはじめ、クローブやコリアンダーなど数種類が使われています。
カレーニムチュー 店主 ムチューさん 「気温や湿気によって手に入る食材も季節によって違うので、それに合わせてスパイスを選んでいる。香りで食欲を刺激でき、野菜やたんぱく質が取りやすい料理なので、夏にたくさん食べてもらえるとうれしい」