2人の消防隊員が亡くなった大阪・道頓堀のビル火災ですが、火元はビル1階の室外機付近とみられることが分かりました。専門家は特に夏の時期、家庭でも注意が必要だと指摘しています。
■大阪・道頓堀ビル火災 室外機付近が火元か
18日、大阪の道頓堀で起きたビル火災。2人の消防隊員が死亡した現場で、新たに分かったことがあります。
通報の2分前に撮影された映像では、ビル西側の1階付近が激しく燃えています。捜査関係者によりますと、この付近に設置された室外機の周辺が出火元とみられるそうです。3年前には1階よりやや高い位置に室外機が設置されているのが確認できます。
さらに、短時間で上の階まで燃え広がった要因も分かってきました。
捜査関係者 「一蘭がある方のビルの外側は燃えているが、1階から4階の内部はほとんど燃えていない」
では、なぜ死亡した消防隊員が活動していたというビル右側の5階まで火は至ったのか。消防などによりますと、火は外壁に設置された看板を伝って5階から内部に燃え広がったとみられるそうです。
元小田原市消防本部火災調査官 永山政広さん 「外壁沿いに広がっていく、それも非常に強い勢いで上に広がっていく。これが一般的な雑居ビル火災とは全く違うこと」
専門家は、燃え広がった要因について…。
元小田原市消防本部火災調査官 永山政広さん 「今回は室外機の外側に看板とか装飾とか、仮に燃えやすい材質でできていたとすると、エアコン自体の発熱と、燃えやすいものの相乗効果でかなり強い炎で燃え上がる可能性がある」
警察や消防による出火原因の調査は続けられます。
■家庭でも注意!室外機周りの火災
実は、室外機周りの火災は珍しいことではありません。2024年度までの過去5年でエアコンの事故は363件起きていますが、最も多いのは7月と8月です。
NITE(製品評価技術基盤機構)製品安全広報課 岡田大樹さん 「エアコンの使用頻度が上がると事故も増えてくる」
■室外機周りの火災を防ぐには?
室外機周りの火災を防ぐためにはどうすればよいのでしょうか。
NITE製品安全広報課 岡田大樹さん 「製品に起因しない事故で多かったのが、外部からの延焼。外から燃え広がった・燃え移ったなど室外機で特に多い」
外部からの延焼事故は5年間で93件起きているということです。たばこの火の不始末はもってのほかですが、想定外のものが出火につながることも…。
NITE製品安全広報課 岡田大樹さん 「水の入ったペットボトルを置いていると、ペットボトルによって太陽の光が一点に集中し、近くにもし可燃物があれば、その可燃物に収斂(しゅうれん)して火災が起きる可能性がある」
また、放置したごみが思いもよらぬ出火を招くことも…。
NITE製品安全広報課 岡田大樹さん 「ごみに虫が集まってきて、虫が繁殖してしまうと、近くにある室外機の内部、製品内部に(虫が)侵入してしまう。本来は電気が通らない場所に電気が通ってしまい、内部から発火する可能性もある。定期的に室外機周りに物を置いていないか、汚れていないか、何か異常がないかを確認」